13 相続人の範囲と法定相続分
2024/07/30
横浜をはじめ、川崎、相模原、その他神奈川県下を中心に、相続、贈与に取り組む税理士の眞鍋です。英語対応をしておりますので、外国の方につきましても、お任せください。
本日は、法律(民法)で定められている、相続人となる人の範囲と、その相続割合(法定相続割合)について解説します。
(今回の解説の図表の出所は三井住友銀行のWebサイトです)
1.相続人の範囲
相続人の範囲は、民法上で次のとおり定められています。
なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。また、姻族(配偶者の血族(舅・姑等))あるいは内縁関係の人は、相続人に含まれません。
①配偶者
死亡した人の配偶者は常に相続人となります。
②配偶者以外の人
配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と共に相続人になります。
<第1順位>死亡した人の子供
なお、その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が
相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を
優先します。
また、直系の卑属は、何代でも相続人になれます(曾孫等)。
<第2順位>死亡した人の父母(父母や祖父母など)
第2順位の人は、第1順位の人がいないときに相続人になります。
なお、その父母が既に死亡しているときは、その父母の直系の尊属(祖父母)が
相続人となります。この場合も、その死亡した人により近い世代が優先されます
(祖父母よりは父母)。
<第3順位>死亡した人の兄弟姉妹
第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供(甥・姪)が相続人と
なります。
第1順位のケースとは異なり、相続権が続くのは、甥・姪までで、その子供には
続きません。
2.法定相続分
法定相続分は次のとおりです。
なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の持分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
<配偶者と子供が相続人である場合>
配偶者2分の1 子供(2人以上のときは全員で)2分の1
<配偶者と直系尊属が相続人である場合>
配偶者3分の2 直系尊属(2人以上のときは全員で)3分の1
<配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合>
配偶者4分の3 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1
3.法定相続人の範囲の確認
相続手続では、まず、相続財産の範囲と共に、法定相続人の範囲を確認する必要があります。
法定相続人の範囲は、亡くなった人の「生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本」を収集します。その際、古い時代の謄本については、改製原戸籍と取り寄せることとなります。
4.戸籍証明書の広域交付
令和6年3月より戸籍証明書の広域交付が開始となり、戸籍を管理する市町村が複数の場所にあっても、最寄りの市区町村役場の窓口に請求者本人が出向いて、複数の本籍地の戸籍謄本をまとめて請求できるようになります。
ただし、広域交付で請求できるのは、①本人、②配偶者、③直系尊属(例、父母、祖父母など、④直系卑属(子、孫など)の戸籍謄本だけです。④兄弟姉妹、⑤おじおば(伯(叔)父、伯(叔)母)、⑥甥、姪などの戸籍謄本は対象外です。
また、①コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍謄本、②代理人による請求(士業による職務上請求も不可)、③郵送による請求(窓口対応のみ可)は制度の対象外であるため注意が必要です。